オーバーペースの原因と対策
レースの前半で力を入れて走り過ぎて、
後半になると疲れて思うように走れなくなるオーバーペースを
経験をしたことがあるランナーの方は多いと思います。
今回は自分のレースでも度々課題として上げている
「オーバーペース」についてまとめてみました。
オーバペースとは
定義
オーバーペースとは、レースの前半で自分の走力以上のペースで
走ってしまうことをいいます。
オーバーペースで走った前半の疲労が蓄積され、
レースの後半で失速してしまいがちです。
オーバーペース癖をなくしたい
私自身マラソンを走るうえでも、トラックを走るうえでも、
前半オーバーペースで走ってしまうことを課題だと感じています。
普段はフルマラソンの目標ペースよりも速いペースで
短い距離のトレーニングをしているため、
実際のレースでのフルマラソンのペースを”遅い”と勘違いして、
自分が気持ち良いペース(そして後半は失速)で
走ってしまって、なかなかベストが更新できない!
というのが悩みです。
(もちろん、速いペースで練習していることだけが原因なのではなく、
長い距離をしっかり走りきれる持久力がないことも大きな原因です。)
では次に、実際に前半自分が気持ち良いペース(そして後半は失速)した
私のフルマラソンのペースをみてみようと思います。
フルマラソンの後半の失速
こちらは私が2016年度に走った2本のフルマラソンのペース比較です。
縦軸が1kmごとのペース、横軸が距離です。
まるで教科書にでてきそうな”オーバーペースの走り方”の典型例のグラフになりました。
特に25km以降(30kmの壁というやつですね)のペースダウンが顕著です。
そして最後がっつりペースアップしていますね。ラストスパートは頑張れる・・・
このグラフをみると、オーバペースになっているのは、スタート~20kmにかけての区間が多いです。
そしてそのツケが25km以降でやってくる。
一番速いペースと一番遅いペースとの差が1分以上もあるのは、
ペースの変動がありすぎるように思います。
う~ん、なんとかペースの落ち幅を30秒以内に抑えたいですね。
オーバーペースの原因
では、なぜオーバーペースで走ってしまうのかを、
大きく身体面とが神面に分けて
自分のレースを振り返って考えてみました。
※あくまで私の意見ですが・・・
身体面の原因
- 前半は身体が疲れていない
当たり前のことなのですが、走り始めは身体に疲労がありません。
身体も軽く、どこまででも走っていけるような錯覚を起こしてしまいます。
精神面の原因
レースでの興奮
- レースの高揚感
レースでは、周囲には大勢のランナーや沿道の方がいて、
普段の練習とは全然雰囲気が違います。
自分でも気づかないうちに気持ちが高ぶっていることがあります。
そのまま走り出して、自分のペースを守れないことも・・・
- 良いタイムを出したい
私は完全にこのタイプです。
練習に取り組んできたから、しっかり結果を出したい!
絶対に自己ベストを更新したい!と
強く思うあまりに、いつもより力が入ってしまって
ペースが速くなってしまうことがあります。
レースへの不安
- 前半に貯金を作っておきたい
後半のために、前半で貯金を作っておきたいという不安から
オーバーペースになってしまうこともあります。
特にスピードタイプの私は、持久力に不安があるため、
前半での貯金を作りたがってしまいます・・・
- 前半を抑えて走った成功体験がない
普段からオーバーペース気味に走るレースを繰り返し、
ある程度、自分の目標としていた結果を出してしまうと、
ネガティブスプリットへ挑戦をすることに不安を感じてしまいます。
「こんなにゆっくり走ってていいの?」「これで本当にサブスリーできる?」
というように、ペースを上げる理由を作ってしまいます。
- 自分の走力を把握できていない
自分がいまオーバーペースなのかどうかもわからずに、
とりあえず周りについていかないと!と思って走ってしまい、
25km地点でガクッと落ちてから、
「ああ、前半がオーバーペースだったんだ・・・」
と気づくこともあります。おそすぎる笑
オーバーペースの対策
身体面、精神面でのオーバーペースになってしまう原因に対して
どのように対策すればいいか、まとめてみます。
身体面への対策
- 前半は身体が疲れていない
⇒直前刺激などで、予め脚を重くしておく!
こうすることで前半に身体が動きすぎてしまうことによる
オーバーペースを防ぎます。
具体的には
◎ 大会1週間前に5km~10kmのタイムトライアルを実施する
◎ 2日前にレースペースで5km走っておく
などを試してみようと思います。
精神面への対策
レースでの興奮を抑える
- レースの高揚感
⇒レースで舞い上がってしまうことを防ぐためには、
場慣れすることが必要だと思います。
記録を狙うレースの前に、1~2本レースに出場しておく
という対策ができそうです。
この場慣れのためのレースでは、自分なりのテーマをもって
オーバーペースを防ぐための意識付けをしておきたいですね。
また、「自分は今、興奮している」と自分の気持ちが昂ぶっていることを
自分自身で認めた方が、興奮を抑えようとするよりも
高いパフォーマンスを発揮できるという研究結果もあります。
レースでの高揚感をプラスに変えることもできそうだなと感じました。
- 良いタイムを出したい
⇒これはすべてのランナーが思っていることなのに、
オーバーペースになってしまう人と、イーブンペースで走ることができる人との違いは、
体感では遅めのペースで走るレースに不安を感じずに走れるかどうか
(=前半抑えて入った方が良いタイムで走れるという経験をしているかどうか)
だと考えています。
そのため、レースへの不安を解消できれば、オーバーペースを防げるはず!
レースへの不安を解消する
- 前半に貯金を作っておきたい
- 前半を抑えて走った成功体験がない
⇒これはできれば、上述の記録を狙うレースの前に、
場慣れするために出場するレースで実践しておく必要があります。
予め余裕をもったペースを設定し、後半ペースを上げてゴールする
という走り方を実際に体験したいと思います。
- 自分の走力を把握できていない
⇒じゃあその「予め余裕をもったペースを設定する」にはどうするのか。
これにはタイム予測ツールなどを利用するとよさそうです。
私はこちらを参考にさせていただきました。
マラソン/タイム予測ツール | 時計を忘れて走りに行こう
たとえば私の場合だと持久係数をもとに計算すると
ハーフのタイム*2.15~2.18=フルのタイムとなります。
1:22‘03*2.15~2.18=2:56’24~2:58’52
※ただし、スタミナがなさすぎて25km以降が走れないため論外
逆にいえば、このタイムを出せる可能性はある!ということなので
オーバーペース癖を治すことで、少しでもこのタイムに近づけたいです。
また、この予測タイムをただ単純に平均してペースを設定するのではなく、
(きっと貯金を作ろうとするから、設定より速く入ってしまうだろうと予想)
前半は予測タイムを平均したペースよりも
少しゆっくりのペース(平均したペース+5~10秒)で入ることをまずは意識して、
きちんとレースで実践していきます!
まとめ
- オーバーペースの原因と対策について、今までのレースを振り返りながら、自分なりに考えてみた
- 前半ゆっくり入ることへの不安を解消すれば、オーバーペースは防げる
- 自分の適切なペースを知る
- 「言うは易く行うは難し」 ちゃんと実践する
- 良いタイムを出したい!